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『ルパン三世 風魔一族の陰謀』(ルパンさんせい ふうまいちぞくのいんぼう)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第4作。東宝系で1987年12月に劇場公開された日本のアニメーション映画である。もともとはシリーズ初のOVA作品として企画されていた。 == 概要 == アニメーションの制作は『ルパン三世 カリオストロの城』、『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』を担当した東京ムービー新社の子会社テレコム・アニメーションフィルムが請け負った。テレビシリーズ放映中の劇場版やテレビスペシャルとは異なり、テレビ局は製作に名を連ねず、東宝と東京ムービー新社が製作している。 本作品はもともとOVAとして企画制作が進められていたが、ビデオ販売に先駆けて劇場公開されることになった〔「『ルパン三世・風魔一族の陰謀』劇場公開決定!!五右ェ門、一大奮起」、『アニメージュ』1987年12月号、徳間書店、p.86.〕。1987年12月18日に東宝系で封切られたが、東京ではテアトル池袋、大阪では玉造東宝〔この映画館は1991年3月閉館、なお併映作品は「カリオストロの城」〕で、上映館数はごくわずかに留まった。テレコム・アニメーションフィルム公式サイトではOVA作品として紹介されているが〔作品紹介 ルパン三世 風魔一族の陰謀 テレコム/アニメーションフィルム公式サイト内〕、実際にビデオリリースがなされたのは劇場公開の後、1988年4月である。本作がOVA作品なのか劇場用映画作品なのか、扱いが分かれることもある〔小黒祐一郎「アニメ様365日 第420回『ルパン三世 風魔一族の陰謀』 」 WEBアニメスタイル 2010年8月2日 〕。 本作品の一番の特徴は、声優陣が従来のシリーズから一新されたことである。ルパン三世に古川登志夫、次元大介に銀河万丈、峰不二子に小山茉美、石川五ェ門に塩沢兼人、銭形警部に加藤精三がそれぞれ起用され、「ニュー・ルパン」と銘打って発表され、後述のように様々な波紋を呼んだ。ルパン三世シリーズで声優陣総入れ替え〔本作品の声優たちも、公開当時のパンフレットでは(先輩たちを差し置いて)自分らが演じることにつき、申し訳ないようなコメントの記載がある。〕が行われたのは、全シリーズ中、本作のみである。 本作には作品の責任者である監督が存在せず、代わりにテレコムを率いるアニメーターの大塚康生が監修を務め、原画マンや作画スタッフが、シークエンスごとにアイデアを出し合い作画する、というかつての東映動画的なスタイルとなった。これは大塚の著書『作画汗まみれ 増補改訂版』によると、当初監督に抜擢された演出家の提示した絵コンテが、テレビアニメ的なアップや口パクを中心とした枚数を省略するスタイルであり、劇場長編のクオリティ(例えば宮崎駿や高畑勲の監督作品)の作画スタイルで育って来たテレコムの作画スタッフの要求に応えられなかったため、とのことである〔大塚康生『作画汗まみれ 増補改訂版』徳間書店、2001年、pp.196-198〕。 TV第1シリーズの作画監督である大塚康生が参加していることもあり、ルパンのジャケットの色はTV第2シリーズの「赤」ではなく第1シリーズの「緑色」である〔小黒祐一郎「アニメ様365日 第421回『風魔一族の陰謀』のキャラデザインと作画 」 WEBアニメスタイル 2010年8月3日〕が、赤いジャケット自体は登場しており、ルパンではなくゲストキャラクターの紫が、ルパンが持っていた私服の中から選んだ着替えとして、終始着用している。 声優のみならず、ルパン三世の劇場版長編およびOVA作品では唯一「ルパン三世のテーマ」が使用されておらず、これまで音楽を担当していた大野雄二が降板。録音監督など音響スタッフも交代している〔。 仮題は『ルパン三世 五右衛門紫変化』〔。公開前の雑誌や主題歌レコードのジャケットではこのタイトルが使われていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ルパン三世 風魔一族の陰謀」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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